昨日、靴を磨いていて
ふとこのメルマガでも何度か紹介させて頂いた
元東武百貨店靴のセールス・スペシャリスト
高林巌さんのことを思い出しました。
私は靴の磨き方を高林さんに教えて頂きました。

▼靴磨きのスペシャリストと呼ばれる高林巌さんとは
出張で都内にいたある日のこと。
私の足が池袋にふらっと向きました。
池袋は大学時代から社会人時代を過ごした街。

西武百貨店を周り、その後、東武百貨店に行きました。
紳士靴売り場で1足の靴が目にとまりました。
「あっ!この靴いいな!」
と思い、その場で声を掛けた相手が高林さん。

高林さんは言いました。
「いい靴ですよね。この部分が赤いところがお洒落でしょ。」

私が答えます。
「そうですね。とても気に入りました。」

そして、私はこう言ったのです。
「すいませんが、靴の手入れの仕方を教えて頂けませんか?」

その瞬間、高林さんの目がキラッと輝いてこう言いました。
「お客様、お時間はございますか?」

それから高林さんはバックヤードに行き、
大きな靴のメンテナンス用ボックスと
靴磨き専用の椅子を抱えて
私の目の前に座ってこう言ったのです。
「では、こちらにお座りください。」

それから30分以上、周りにたくさんのお客さんがいるにも関わらず
完全に個人指導状態で私に靴の手入れ方を丁寧に教えてくださいました。

その時に履いていた私の靴が
目の前でピカピカに輝いている様子を目の当たりにして
私は大いに感動したのです。

(何度も書いていますが高林さんが磨くと
水だけで靴先が鏡のようにピッカピカになります。
高林さん曰く「水の膜を作る」のだそうです。)
あなたは工場見学に行ったことがありますか?
普段、日常的に目にしている製品が
複雑な工程を経て、労力と手間と時間をかけて
作られていることがわかり感動しますよね。
その感覚で私は高林さんの
仕事に感動したのです。

【行程を見せると人は感動する】
実はこのこと自体も下記のセミナー動画でも
言及していますが、ブランディングには
欠かせない要素の一つです。

 ▼あなた自身をブランディングしなければ、どんどん安く叩かれます
だって、きれいに磨かれた靴や仕上がった完成品を
ポンと目の前に置かれてもそれほど感動しませんよね。
・・・感動しないから、安価にならざるを得ないわけです。
でも、汚れた靴が目の前でピカピカになる行程を目の当たりにしたり、
普段使っている製品が複雑な工程を経て、作られていることがわかりると
感動しますね。
・・・感動するから、高くても買うわけです。
私は講演会の講師ですが
実は私も講演会場では【行程】を見せています。
これは高林さんの靴磨きの【行程】を見せて頂いたときに学びました。

もちろん、高林さん自身は
「行程を見せよう」
と思って靴を磨いてくれたのではありません。
私に心から靴の手入れの仕方を教えてあげたいと思
う気持ちから生まれたものです。
でも、結果的に私はその行程を見ることができたのです。

極端な例ですが
昔やうなぎ屋も魚屋も肉屋も
【行程】を見せていました。

子供は父親や母親が働く姿、働く行程を見ていました。
だから、感動と感謝があった。
でも、今は完成品がパック詰めされて
ポンと置かれているだけ。
そこには感動がない。感謝が生まれない。驚きが生まれない。

だから価格勝負になっちゃうのだね・・・。


Source: 商売繁盛心理学・ビジネス心理学講師 酒井とし夫